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飯舘村は負けない
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「飯舘村は負けない」
岩波新書 千葉悦子・松野光伸著
目次 第1章 村に放射能が降った 第2章 村はどう対処したか 第3章 村つくりのこれまで 1協働の村つくりの開幕 2地区・集落を単位とする村つくり 3自立した「までい」な村つくり 第4章 いのちと健康を守る 第5章 なりわいを守りたい 第6章 一人ひとりの復興へ
飯舘村は福島県にあります。東側に南相馬市、南東側に浪江町・双葉町があります。昨年3月11日の大地震の時、比較的被害が少なかったので、海岸沿いの被災者を受け入れました。ところが、3月14日と15日の福島原発の相次ぐ事故で村に放射能が降りました。浜通りの避難者を受け入れた人々への全村避難指示、不安と混乱。
豊かな土地を、丹精込めて作り上げた村を捨てるのか。世界中が注視する中で、役場の奮闘、若者の発信、女性たちの頑張りをこの本は描いています。
あとがきには、著者から以下のように書かれています。
一年経った飯舘村では、現在、除染・帰村という今後の方向性をめぐって、意見の激しい対立がある。それは村がおかれた厳しい状況からすると当然である。ただ、原発事故にあったほとんどの自治体の住民は、意見を表明したり、行政とぶつかりあったり出来ていないように見える。そうしたことからすれば、飯舘村における激しい意見のぶつかり合いの中に、村の復興にとっての可能性を見出すこともできよう。
と書かれています。
第3章に詳しく書かれていますが、飯舘村は、これまで独自の村つくりを進めてきました。「ミートバンク」や「若妻の翼」など村民主役の村つくりを進めてきました。その歴史的な経験や蓄積を元にして今戦っています。決して楽な道ではありませんが、意見の違いを乗り越える時に「飯舘村は負けない」だけでなく、われわれにも元気を与えてくれるものだと思います。みなさん読んでください。

2012/04/26(木)
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