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「コクリコ坂から」
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「コクリコ坂から」
宮崎駿監督の「コクリコ坂から」を見てきました。今回は初めてシニア料金を使いました。
お話は昭和の30年代後半(1963年)の時代設定で、主人公の高校生は私よりも4、5歳上でしょうか。戦後すぐに生まれた方になります。いくつもの懐かしい光景がありました。三輪のトラック。木造の家。バラック。出来つつある首都高速道路。砂利道などです。
主人公の日々の暮らしの中で寝起きは布団。俗にいうせんべい布団で、マットレスもありません。ご飯はお釜で炊きます。お釜に前もってお米を研いでおいて、水を吸収させておいてから、それに火をつけます。徳用のマッチを擦ってガスに火をつけます。若い方にはおそらく経験したことも無いことだと思います。炊き上がったご飯はお櫃に移して、そこからよそって食べていました。冷蔵庫は小さく、洗濯機には手で絞るローラーがついていました。この家にはテレビがありました。その中では坂本九が「上を向いて歩こう」を歌っていました。
私の小学生時代の色々なことを思い出しています。
私が面白いと思ったのは、古い建物を壊すか、否かの、全学集会を持っている場面でした。活発な議論をしている最中に校長や先生が見廻りに来た時のことです。無届け集会だったのでしょうか、見張りの生徒が合図をすると、生徒会長の方が演壇の中央に進み出て、歌を歌い出します。「白い花が咲いてた。ふるさとの遠い夢の日・・・」
岡本敦郎さんの「白い花の咲くころ」でした。それを集会に参加した人全員で歌うのです。全学集会は「歌う会」に変身してしまいます。
この時代にはみんなで歌う歌があり、みんなで歌ったのでしょうか。歌うことで心を一つにしていったのでしょうか。4、5年後に生まれた私の年代は、こういう長閑さはありませんでした。もっと暴力的でした。そう思うと、かなり異常な時代を経験したことになります。
とはいうものの、私の時代にも「学生時代」や「友よ」、「若者たち」など誰でも口ずさめる歌がありました。ストーリーと関係のない話ばかりですが、昔を思い出した映画でした。
2011/08/30(火)
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