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今年も終了です。
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今年も終了です
09年もっという間に過ぎて行きます。この約一ヶ月はベニヤとボードを運んだために左の手首が痛くなっていました。ここへきて仕事も減り、何とか痛みも少なくなってきました。
さて、今年一年を振り返ると住まい作りに於いては段取りが大事だと感じました。また弱い所を極力作らないようにしないと長持ちする住まいは作れないとも思いました。良い材料、よい大工を使いながら、35日現場を空けてしまったために床板のラーチ合板に水たまりを作った住まいは完成後もこの部分にひずみが来ると思います。またそういう段取りしかできない監督さんしか使えない工務店や請負店では長期優良住宅はできないのだと思います。 この春でしたか、ビル建設現場で監督さんが「派遣」の所がありましたが、この派遣された方の力が弱く、現場がスムースに回らなかった所もありました。 また床を張った後から断熱材を入れたいと言い出して、もう一度床をはがした所もありました。手間賃が無いから「出来ない」としてしなかった所もあります。段取り一つで住まいは変わっていきます。よくわかった人が仕事を進めて行かないと同じ材料や単価でも出来上がりが違うものになります。 自分にしても今から15年ほど前になりますが、新しいものを使ってみようと実験した所では、芳しくない結果が出始めています。15年もすると建材メーカーの品物は色や形はなくなり、ついでにその商品の寿命もなくなってしまいます。
ふた昔前までの住宅は、作り手が見える、作ったものが見える、という風なものでした。言い換えれば、悪くなったら、その部分を変えることもできました。それが住まいが長持ちした秘訣でもあったのです。そういうものが失われた二十年、三十年だったのかなと感じています。時代は変わりました。
ここの所で、安価で良質な住まいを提供してきた人たちが一斉に引退し、建材メーカーで育った方々に依る住まい作りが本格化します。再び木材に戻ることはないでしょう。木材は一部の愛好家によって次の時代に引き継がれていきます。再び木材が注目されるとしたら、どんな時でしょうか。たとえば、大径木材が搬出されるときでしょう。圧倒的な質感によって、見るものを抑えつけなければならないでしょう。それまでの間、ある程度の厚みと幅、30ミリの厚さと150ミリの幅、などという風に深みのある材料を用いることで、木を使った住まいを作り続けて行きましょう。良さは伝えないと伝わらなくなります。
それにしてもここの所の風の冷たさは師走と相まって身にしみます。仕事のない人からは売り上げが無く、仕事をした人からは「待った」がかかるこの頃です。懐の寒さは言うまでもなく、「どうすりゃいいのさ、思案橋」、今まで培ってきた仕事のやり方では、もう無理な所へ来ているので、我々の業界も「交代」しないといけなくなりました。どこに出口があるのでしょうか。
しかしながら、悩みのない所に進歩はありません。来年は、今まで行ってきたことと違うことを行ってみたいと思います。
2009/12/30(水)
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