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委託と契約
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委託と契約
木材の仕入れは今では新東京木材商業協同組合が9割を占めていると思います。それというのも木材の市場はここ十年で都内から撤退し、その数が減ったからです。私の住む中野区の周辺では新東京木材中野市場と新東京木材池袋市場の二つしかありません。ここ以外では新宿木材市場の府中センターか新木場の木材市場や木材問屋に仕入れに行きます。新宿市場が新宿区の初台にあった頃や世田谷区の上北沢にあった頃には新宿市場も重要な市場で木材を仕入れしていました。これに新木場の問屋さんを加えた3つが我が社の仕入れ場所でした。新木場の問屋さんは大量に仕入れする時に使います。又現場へ直接配送してもらう時などに利用しました。新木場の問屋さんとは三社ないし四社と取引がありましたので、状況に合わせて発注先をかえていました。杉材が得意な所やタモ材の在庫を大量に持っているところ良質のヒノキの柱材を持っているところなど問屋さんにも特徴があり、仕事にあわせて発注していました。私もこの仕事についてからまもなく30年を迎えますが、およそその半分の15年ほどは木場の問屋さんとの付き合いが数多くありました。が、今は年に数回新木場まで引き取りに行くくらいになってしまいました。
新宿市場は他の市場より「安く買える」のが特徴でした。相場より一割くらい安く買う事が出来ました。又引き取りも場所が広いので楽でした。新東京木材では単価はあまり安くないのですが、小口で良品を仕入れるのに利用しやすい所です。今ではここを抜きに仕事の継続は考えられなくなっています。
さて、このところラワン材やベニヤの陰に隠れて目立たなくなっていますが、木材も値上がりを続けています。赤松、米松、栂など普段使いの商品が目立って値上げです。しかも量的にも少なくなっています。仕事が爆発的にないのであまり目立ちませんがベニヤだけでなく木材も仕入れを強化する必要が出ています。ひと昔前なら、新東京は値上げに鈍感でした。それというのも新東京の問屋さんは委託材を扱う事が多く、他の市場が値上げをした時でも遅れて値上げする事ができました。それが今では契約材が大半を占めるようになったので、他の市場に先駆けて値上がりするようになってしまいました。扱う材が下地材ばかりになった事もそれに拍車を掛けています。
木材も値上がりを続けています。最も私が知っている限りでは、二十年くらいの相場に戻っただけですが・・・そう考えると木材の価格はじっと我慢してきたのです。
2006/10/27(金)
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