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「電光石火の男」
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「電光石火の男。赤木圭一郎と日活アクション映画」(私の本棚)
末永昭二 ゴマ書房 1429円+税
目次 序章 「伝説は作られる」 第一章「ドキュメント昭和36年2月」 第二章 赤塚親弘から赤木圭一郎へ 第三章 日活アクション前夜 第四章 ダイヤモンドラインが生まれるまで 第五章 映画スター赤木圭一郎 第六章 大衆文化の中の「拳銃無頼帖」 熊井啓監督インタビュー あとがき
題名の「電光石火の男」は赤木圭一郎の唯一のシリーズ物、「拳銃無頼帖」の中の一作品の名前です。このシリーズは4作品作られていますが、この原作は城戸禮氏の貸本小説からとられたものです。昭和の30年代には「貸し本屋さん」という職業がありました。一冊3円か5円で荒唐無稽の冒険小説や漫画本を貸してくれました。テレビの普及で貸し本屋は潰れていきますが、昭和30年代のはじめには全国で3万店舗あったと、この本に書かれています。ちなみに3万店というと今でいえばコンビニの数になるそうです。
その貸し本小説から映画化されたものはどれくらいあるかは書かれていませんが、城戸禮氏の作品だけでも16本、赤木の主演作は5本になるそうです。1964年生まれの著者の末永氏は「貸本小説」という著作を持っていますが、その関係から赤木に興味を持ち、彼に接近したのだと思います。赤木について今まで書かれたものを上手く使って、赤木を描いていると思います。赤木を知る本としては一番まとまっていると感じています。

2006/05/31(水)
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