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時々更新mn日記

( 2006/01 ← 2005/12 → 2005/11 )


[ 安全性が蔑ろにされている ]
安全性が蔑ろにされている


今年一年を振り返る時期になりました。
この一年を表す言葉として「経済性」があります。利益優先で物事が決まっていく時代ですが、この危険性が表れた一年だったかと思います。この経済性よりも優先しなくてはいけないことは「安全性」です。

来年はこの言葉を大事にして物事を考えていきたいと思います。

耐震偽造マンションを買われた方はお気の毒ですが、マンションの販売価格と平米数を冷静に判断すれば、なぜこんなに安く売られているかに気がついたはずです。

さて、私どもの商売もこの一年間で縮小を強いられています。「良いものをそこそこの値段で売っている」からです。木材販売の利益率も大量に売れば売るほど、下がる傾向にあります。建材や水回りの商品などは消費税程度の利益率しかないものがほとんどになりました。「物を売る」物販という場面だけでは商売にならなくなりました。

その一方で、「本物の木材を売る」方は伸びています。消費者は本物の木材を欲しています。その課題の答えられるところだけが材木屋として残るのかもしれません。その意味では人間に害を与えることのない安全性の高い木材をより多くの方々に使って頂けるように努力していきたいと思います。

先日、ある方からお電話をいただきました。今年の3月頃に住まいを建て始めていた方ですが、床材に桜の無垢材が欲しいといわれて紹介したことのある方でした。建築上の関係から鉄筋の3階建ての住まいになりましたが、床が綺麗に仕上がったことを話していただきました。また「以前住んでいた木造の住まいの方が良かった」とも言っておられました。

人間は木に囲まれていると落ち着くのだと思います。

今年もあと数日です。来年はもっと良い年にしたいと思います。皆さんも良いお年を・・・

2005/12/30(金) 晴れ


[ 今年の特徴 ]
今年の特徴


今年の特徴は、売れ行きの後退です。いままで1ヶ月で売れていたものが2ヶ月かかる様になりました。前半はまずまずの成績だったのですが、8月に入ってから、急速に落ち込んでいます。景気の回復などという言葉は我々の業界にはないように思えます。

これを裏付けるように去る9月に行われた新東京木材の組合員アンケートでは、先行きを心配する声があがっています。現在の所、木材業は木材販売、建材・住宅機器販売、建設業や設計事務所を兼ねるもの、不動産管理業などに分かれているかと思います。そのうち、「木材」に関する部分の縮小が明らかになってきたのが、この一年だったかと思います。

木材販売など物販を主とする所は、小さくなって行きます。売り先は従来の大工・工務店は無くなり、安定的に買上を戴ける所がなくなりつつあります。ユーザーにしても日常的に使うものは「ホームセンター」で間に合わせることが出来ます。その意味では材木屋に求められているものはもっと専門的な部分でしょう。

ところがそれを支える製材所や加工所の数は限られてきました。国内でも比較的優良な材料を製材していた所が、いくつかなくなりました。また、加工所も少なくなっています。一昔前までは、大工さんが本物の木材を使い勝手を見ながら、製材して加工していましたが、それが加工する人と取り付けする人に分かれてしまい、今ではほとんどの大工さんは取り付けするだけになってしまいました。

仕事の取り方でも、やり方でもここ数十年で大きく変化しています。大工さんが住まいを造る主役でいた時代から、大工と請負師の分化して請負師や設計士抜きで仕事を取ることが出来なくなってきました。仕事のやり方においても大工仕事の手仕事から機械化への進化。さらに工場生産への移行。構造材といわれるものはここ十年をとってみてもプレカット工場による工場生産が8割以上になりました。またな内部の造作材もラワン材やスプルース材を製材して加工していたのが、建材メーカーのシート張りのものがメインになり、無垢の木材を使う場合でも加工は加工所に任せるというのが一般的になりました。

大工さんは現場で取り付けするばかりとなりました。今日のような寒空で強風の日であっても、仕事があれば、それに向かわなければなりません。昔のように雨だから休み、といったこともなくなりました。将来なりたい職業に「大工」が一番になったこともありましたが、物を作る面白さという点では大工はよい仕事だと思いますが、下請け化してしまうと厳しい現実が待っていることも事実です。今年も暮れになりました。あと仕事が出来る日は僅かですが、今年中に仕上げる仕事の工期に間に合わせるようにあくせくしているこの頃です。

2005/12/22(木) 晴れ


[ 日本木材総合情報センターのモニター ]
日本木材綜合情報センターのモニター


数年前から日本木材綜合情報センターのモニターになり、毎月単価の動きやこれからの先行きに関してコメントを送っています。今月も書いて送ったところ、モニターからのコメントをFAXしていただきました。

モニターには小売商だけでなく、問屋も入っています。その数は何名か知らないのですが、数十社くらいかと思います。少し少ないのですが、それでも木材の動きはわかります。十数社からのコメントが載っていますが、今月の特徴としては、円安と現地高から仕入れの価格は上昇しているという点で
一致しています。米材、ロシア材は原木・製品とも高くなっていますし、南洋材は雨季で出荷が減っているとのことです。それでも販売量や単価に跳ね返ってこないのが辛い所だと、問屋筋は語ります。

小売店では、忙しい所とそうでない所の差が広がっていると伝えます。忙しい所は、マンション関係の仕事をしている所で、ここではタルキを集めるのに苦労しているとのことです。実際市場でもタルキはまとめ買いをしている業者がいます。それらはマンション関係への納材をしている方々です。

それに引き換え、忙しくない小売業者は売上げに見合う店舗面積に縮小するという話が載っていました。
二極分化は避けられそうにありません。



2005/12/20(火) 晴れ


[ 13日の記念市+理事会 ]
13日の記念市+理事会


構造計算偽造問題は、単に個人の問題ではなく、かなり組織的構造的な問題に拡がりそうです。。「安く早く建物を建てる」指南役は「人から笑われない建物を提供している」と語っていましたが、人の住めない建物を提供し、人の怒りを買っています。

さて、13日には、新東京木材商業協同組合の池袋市場において「昭和会記念市」が開催され、引き続き理事会も開かれました。4月から10月までの市売りや直営センターの売上げは予算に対してマイナスで、このままでは前年割れは避けられそうにありません。実際材木屋の仕事はかなり停滞しています。仕事が細かくなっています。小さな仕事を沢山こなして売上げを確保したい所ですが、それも限界に来ています。何しろ仕事量が限られているからです。

また、来年の4月から。新東京木材の加工部門も廃止が予定されています。こちらも経営が成り立たなくなっているからです。採算のとれないところはカットしてスリムになっていくしか道が残されていないようです。市場問屋も材木の小売商も本業だけで残っていくことには無理があるようです。

これを裏付けるように余裕のある材木店は木材から撤退しています。製材所も同様です。カナダのインターフォーなどはその典型になるでしょう。新東京木材の市場に入ってくる材料は市場問屋の力で何とか水準を保っていますが、量的に出ないので、このままの水準を確保出切るのか微妙な所です。売上げの停滞は問屋自体も一段と小さくまとまるしか無いように思います。小売店もその数は減少していくと思います。他人事で無くなったこの頃です。

良い材料を用い、技術力のある職人と共に長い間住める、飽きの来ない住まいを提供してきたつもりですが、簡単に作れる住まいのほうが昨今では好まれるようです。近くに建ち始めた住まいもハウスメーカーの建物で基礎には時間をかけますが、後は出来たものを組み立てるだけで、すぐに出来てしまいます。我が社の取引先も鉄筋や鉄骨の住まいつくりに主力を移している所が多くなりました。しかも大工を使わずに、間仕切りは内装屋に任せて、仕上げの単価を抑えています。耐火ボードという内装の下地材がありますが、大工が貼るのと内装屋が貼るのでは、仕上げが同じクロスであっても「仕上がり具合が違う」という自負を大工は持っていますが、これも低価格という言葉の前に打ちのめされてしますようです。

今年ももう少しで終了ですが、来年は大きな変化の年になりそうです。国産の木材は曲がります。が、曲がるということを当然の前提として曲がりを押さえつけたり、曲がらないように使って行く大工の技術は改めてすごいものだと感じています。ただ、今は材料が曲がることすら許されなくなっているようです。


2005/12/17(土) 晴れ


[ 木造の住まいは寒い ]
木造の住まいは寒い?


一段と寒さの厳しい季節になりました。寒いのが苦手な私は重ね着をして働いています。朝、事務所に来ると先ずガスストーブをつけます。事務所は築40年を経た木造住宅の中にあります。真壁造りで杉の柱に漆喰の壁。天井は棹縁天井出、断熱材などは入っていません。窓にはサッシが入っていますが、ガラスは一重です。時代を感じさせる建物です。

この季節でも7時半を過ぎると朝日があたります。午前中くらいは陽がさしているので暖かくなります。太陽の力は偉大です。この部屋は寒いです。ここに泊る事はほとんどありませんが、寒い時期は嫌です。確かに木造の住まいは寒いのです。

さて、自宅の方はというと、出来てから、もうすぐ二年になりますが、比較的暖かく出来ています。寝室の温度は外気温が6℃に対して13℃。リビングは16℃くらいです。床は杉の無垢材。壁や天井の内部には断熱材を入れ、窓のサッシ部分にはペアガラスを用いています。暖房が要らないくらいとは云いませんが、床からはヒヤッとした感覚は感じませんし、穏やかに過ごせます。昼間は太陽があたり、部屋の中は暖かくなります。「ムッとした」感じがすればキッチンの常時換気をすれば、空気の流れがゆっくりとおきます。リビングでお茶を飲んでいると、寒い所に行きたくなります。

我が家では二ヶ所寒い所があります。玄関とクロゼットです。この玄関は一坪ばかりですが、ここのサッシは一重です。そのため、朝出かけるときは寒かったのです。ここもペアガラスか二重サッシにすればよかったのですが、「まあ、いいかな」と思って簡単に作りました。12月に入ってから寒くなったので彼女の提案で、窓ガラスにシート状のものをホームセンターで買い求めて、両面テープで貼ってみました。そうしたらこれが以外に効果的でかなり寒さを防ぐことが出来ています。サッシの縁の所まで貼った所は内部結露もしないので、汗もかかなくて簡単に寒さを防ぐことが出来ています。

後からの住まい方で、寒さを防ぎ、結露防止になりました。

2005/12/16(金) 晴れ


[ 間に合わない ]
間に合わない


12月も半ば近くになって、仕事が出来てきました。来年の春に行う予定の仕事も、急遽「年内」になったりして、建材類の発注をあちこちに出しています。

が、ほとんどの場合、「欠品中です」の答え。
「来週の月曜日です」などの返事はまだかわいいもので、「12月26日」とか、「納期未定です」などというFAXが返って来てしまいます。
その納期で間に合うものはいいのですが、そうでないものに関しては、メーカーを変えたり、色を変えたりして対応しています。

こんなことをしていると、年末近くなったのだな、と感じてきます。とりあえず、今の所「間に合わせたものばかり」なので落ち着いていますが、これがそうでなかったら、パニックです。



2005/12/13(火) 曇り


[ 運動の疲れはさわやか ]
運動の疲れはさわやか



久しぶりに日曜日にテニスをしました。
午前11時から午後1時までと、午後3時から午後5時までの都合4時間です。
初めの2時間は4人で、6ゲーム先取で行いました。もちろんダブルスです。前日の夜にテレビでダブルスの試合を見て研究したのですが、実際には見たとおりに動けるわけではありません。それでも

モーラステープを沢山貼って筋肉痛をカバーしています。
仕事の疲れとスポーツの疲れは違います。仕事の疲れは精神的にも疲れますが、スポーツのそれには爽快感があります。頭をすっきりさせて、また今日も一日仕事に精を出したいと思います。

2005/12/12(月) 曇り


[ 仕事の具合 ]
仕事の具合


数日前の日刊木材新聞には、練馬の「丸芳木材」が載っていました。現在大工を20人ほど抱え、ゼネコンなどに人と物をセットで納めているとのことでした。
この会社は、木材だけが売れていた時は木材を、建材が売れるようになってからは木材と建材を、人件費が仕事の中で大きなウエイトを占めるようになってからは施工を含めた「材工」とか「請負」といった考え方で進んで来たそうです。材木屋もそうした所でないと生き残れないようです。

例えば、新築住宅の仕事があったとしましょう。材木屋として材料や施工込みの仕事として考えられるのは、プレカット加工、サイディング材工、水回り工事、建具材料に木工事などですが、木工事を除いて利益率がここ数年で著しく低下しました。10%あるものはないのではと思います。ハウスメーカーの台頭、サッシメーカーや水回りメーカーによる囲い込みなどの進展でプレカットから建具材まではそういったルートが巾を利かすようになり、我々材木屋の「木建ルート」はますますシェアを小さくしています。この原因として考えられるのは住宅の低価格化、それを実現するための住宅の規格化、それに流通の短絡化などです。

住宅の低価格化の進展は、それ以前のバブル期に対する反動に意味合いもあったと思いますが、こう長い間景気の低迷が続くと、低価格化はイコール粗悪品という結果にならざるをえないと思います。今騒がれている構造計算疑惑問題でも一方で経済的に効率よく建てるといいながら、その一方でキックバックするとなると、全体の予算の中で実行予算の占める割合が増ええていない、減りつづけているように思います。

数十年前の住まいの作り方から云えば、大工が中心となって材料の手配から、人の手配まで一手に引き受けて施主と対等に渡り合って住まいを作ってきました。大工が工務店の社長になり、今度は経費分を上乗せしないと経営が成り立たなくなってきました。やがて設計士がこれに加わり、プランナーが加わってくるようになるとその取り分が増え、実際に仕事に携わる人の賃金や経費を節約するようになってきました。そこで住まいを規格化し、使う材料を統一化し、仕事を平均化することによって、大工の標準作業量を増やして、早く仕上がるようにしていきました。その意味では大手のハウスメーカーの建物は味気ないけど、早くできるものになったと思います。工程が単純化され、時間をかけずに作るというのは今のお客さんのニーズにあっているのだと思います。

さて、我々材木屋の仕事は、本来本物の木材のよさを伝えることです。木材はいま安い存在になってしまいました。価格は安いものですが、人間が手を加えてあげることで、素敵なものに変身する事が出来ます。価値を高めることが出来ます。これを忘れないようにしていきたいと思います。それにしても利益率が落ちていることが気にかかります。


2005/12/10(土) 曇り


[ 12月になりました ]
12月になりました。



12月に入ってから、急に寒くなりました。いよいよ冬の到来ですね。お日様があたるところと当たらない所の差が激しくなりました。午前中には陽があたる所に会社もありますので、窓を開けて新鮮な空気を入れると共に太陽にもあたるようにしています。

さて、ここのところの仕事は店舗、改造、2坪の増築とこなしています。忙しい日とそうでない日がはっきりしてきました。今年も働ける日が残り少なくなりました。お正月も10日くらいまで実質的に休みですから、休みの勘定は出来るのですが、仕事の方がはっきりしないのは困りものです。一週間くらい前から作業場や材料置き場の片付けを始めています。いらなくなったものや廃板になったものの処理に頭を悩ませています。

先ず建材メーカーはある程度の期間が経つと、色や作り方を変えてきます。3☆☆☆から4☆☆☆☆への変更など行政の絡んだものもありますが、少しずつ商品を変化させるのが普通です。大建工業というメーカーではライトナチュラルという色とライトブロンズという色を変えました。それぞれファインナチュラル、ファインオーカーという似た色に変わりました。我が社では床材や窓枠材を在庫していましたが、この変更で在庫するのを止めました。

色は個人の好みですが、最近は中間色が飽きられて、明るいか濃い色か二つに分かれました。一年程前には濃い色気のものが少なかったのですが、ここへ来てアンバー色かナチュラルバーチ色が多くなりました。色は両極端になってきました。

ここ数日、メールとインターネットが繋がらず、困っていたのですが、このHPをサポートしてくれている方にお聞きした所電源を一度切ってみてはといわれて、その通りにしたら、回復しました。その間に溜まったメールは約100通。そのほとんどが迷惑メールで、削除するものばかりでした。12月近くになってからウイルスメールも増えている所です。

今年も後少しで終了です。
皆さんにとって今年は良い年でしたか。
私とっては依然良い年ですが、体力的な衰えも感じ始めています。先ずメガネを三つ持つようになりました。遠近両用、中近用、近近用です。細かな文字はメガネをはずすという手も覚えました。メガネをかけていても細かな文字が見にくいというのが良くわかるようになりました。また、月曜から働いて土曜日まで持たなくなりました。一日のうちでも朝と夕方では仕事の進み具合に歴然とした違いが出てきています。目が覚めてからの数時間が一番働ける時間になりました。睡眠時間も多く取るようになりましたが、それでも昼寝をしたいこの頃です。祖父の省三さんが朝5時半から働いて、12時で仕事を終了して、夕方から一杯やっていた気持ちがわかるようになりました。私も仕事の体力が落ちてしまったので、あとは遊びの体力を維持していきたい所です。

インターネットが使えるようになってホッとしている所です。




2005/12/08(木) 晴れ


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[ 管理者:大野満生 ]


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