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造作材のサイズ
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造作材のサイズ
窓枠材やドア枠材が松下電工や大建工業を初めとする工業化されたシート状のものになってから二十年くらい経ちます。工業化されたものはドンドン進化を続け施工性の良いものになっています。サッシメーカーのものは窓の大きさにカットされていたり、見込みも種類が多くすぐに対応できるようになっています。
それに引き換え、本物の木材を使う仕事は「個」に対応する形に変化がありません。それはそれで大事なことではありますが、いま少し現実に対応しては如何かと思っています。現在木材で加工を要求されるものは「米栂材」か「スプルス材」くらいになりました。タモ材なら集成材の巾の広いものを製材することになりますし、ラワン材やピーラ材を使う仕事も減りました。
そこで米栂やスプルスに関しても従来のようなサイズの決め方を改めて規格品を作り出すことが必要かと思います。 先ず窓枠について 長さ4000ミリと2200ミリの2種類とし、厚みは仕上がりで21ミリとする。見込みは75ミリ、90ミリ、105ミリとしてこれも仕上がり寸法です。 ドア枠材の関して 長さ3000ミリと2200ミリとし、厚さは25ミリと30ミリとする。見込みは90ミリ、110ミリ、155ミリの3種類。
これは建材メーカーが進めているサイズを書いただけなのですが、そのことを進めるだけでも住まいに関わる部材の多くの部分を無垢材に替えていく準備になると思います。
先ず長さ。通常木材は3650ミリ以上、4メーターものが基本ですが、これに満たないもの、長さの短いものを活用することが出来る。
厚みについて。通常木材の厚みは従来から8分、1寸、1寸1分など寸表示をミリに直したものでした。手で削っていた時はそれでよかったのですが、機械で加工する時代になって、8分(=24ミリ)のものは21ミリに仕上がらなくなりました。そこで21ミリ以上に仕上げるためには25ミリ以上で製材されていなくてないけません。そういう材料が今求められていると思います。
さらに巾について 奥行きのことを見込みといいますが、現在の製材品では巾90ミリ、11ミリ、125ミリ、155ミリ、180ミリといったものが栂材では出回っています。一昔前では90ミリ、105ミリ、120ミリ、150ミリ、でした。5ミリずつ広く製材されるようになったのは機械加工に対応した結果で、進歩です。それをさらに進めるためには、今建材メーカーで作っているようなサイズの決め方から学ぶ必要があると思います。105ミリの柱材を使う仕事で耐火ボード12.5ミリを両面に張るとすると枠材の厚みは155ミリ必要になります。仕様によって多少の差はありますが、155ミリの製材品では155ミリに仕上がらないのは当然で、できれば160ミリ巾の材料が欲しいのです。
いくつかのところで規格品を作り出しましょう。無垢材を使っていただけるように仕向けられる規格品を持ちましょう。その必要性は高いと思います。最近、新里木材で長さ、2200ミリの栂の加工品で3丁入りの商品があります。厚みが25ミリと30ミリ。巾が90ミリ、105ミリ、120ミリです。3丁入りということは縦枠を2本とって、巾が1100ミリ以下であれば横材が2本取れ、ドア枠がワンセット分で1梱包になっています。 「爆発的に売れている」 とのことですが、これなどはニーズを掴んだ商品だと思います。
2005/08/31(水)
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