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中野市場開設48周年記念市
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中野市場開設48周年記念市
新東京木材商業協同組合の中野市場開設48周年を記念する市が、去る28日に開かれた。市況を反映して入場者も少なく、売上も目標に届かなかったのではないだろうか。関係者の努力には敬意を表するが、やり方を転換しなくてはいけない時期が来ていると思う。 例えば、同組合の市売り市場は二ヶ所、木材センターも二ヶ所ある。
それでは、市売り市場の特徴は何か。 全国の産地と直接的な取引があることである。どこの問屋に連絡すれば、どの程度の材料が納入できるのか見当つくことである。市場問屋の方々は、長年この業に携っており、経験や知識は確かなものであり、安心して買うことが出来る。 その反面、市売りでセリに出される品物は決りきったものとなり、変化に乏しい。それは国産材が売れなくなり、また構造材や造作材が売れなくなったことに関係している。「見て買う」木材が減り、メーカーと等級を指定すれば電話やインターネットで買えるものが増えたからである。次の時代を準備する条件がそろい始めた。
では、次にセンターはどうだろうか。 木材のセンターは組合の直営事業である。集荷は市売りと同じく、全国からあり、小口で買えて有料だが配送もしてくれる。値段は市売りよりもやや高い。よく売れるものでも高いが、何でも揃うという特徴がある。さらに今ではあまり使われなくなった材料「杉の2分3厘の板や南京下見」などを在庫としておいてくれている点はありがたい。
この両者の売上は現在のところ同じくらいである。ただ、市売りが落ち込んでセンターが伸びている。しかも売上を競争している外材は似かよったものが多い。木材業界全体の力が落ち、その中でも市売りの力が落ちているのが、現況である。 とすれば、売れていく木材はその年間消費量を把握し、単価面での優遇性を打ち出していくのがひとつの道ではないか。センターでの一括納入でも市売り問屋が扱っても良いが、ひとつ大きい視野に立たないと現状は打破できまい。
木材を売らなければ社会的責任が果たせないが、木材を売っただけでは食べていけない。木材だけで食べていく時代は終わったのではないか。ただ木材という人間にとって良い物を見捨てれば人々の未来は明るくないだろう。
ともあれ、中野市場当日はこんな感じ。

2002/01/31(木)
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