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最後のクレージー
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最後のクレージー
犬塚弘+佐藤利明
1960年代に一世を風靡したクレージーキャッツの最後の生き残り、犬塚弘の一代記です。
クレージーキャッツはハナ肇をリーダーに植木等、谷啓、安田伸、石橋エータロー、桜井センリとこの犬塚弘の7人で構成されたミュージシャンですが、テレビで面白いことを行った初めの方のタレントとして私の記憶に残っています。ドリフターズの先輩格に当たりますが、「品の良さ」という点では雲泥の差がります。こちらは本格的なミュージシャンであり、その方々がコメディーやコントを演じたという風に思っています。私は1960年代にはクレージーのファンです。さらにクレージーキャッツを支えた青島幸男や椙山浩一さんなど懐かしい人々がたくさん出てきます。
私は植木等と谷啓が好きでしたが、犬塚弘はクレージーの中では「第4の男」と言われてテレビの主演をしたことがあります。1968年のことだと思いますが。私は高校3年生でした。この時犬塚さんの役は、「ロシア語が堪能なサラリーマン」でその隠れたロシア語のおかげで難局を乗り切るといった役どころでした。このテレビに影響されて翌年1969年に同志社に入学した時に第2外国語にロシア語を選んでしまいました。結局すぐに挫折して中国語になりましたが、これも「日中国交回復」のあおりを食らって一気に中国語を選ぶ人たちが押し寄せたので、押し出された形で62点と61点で2単位をいただき卒業させていただきました。外国語は苦手です。
さて、犬塚弘は前半はクレージーキャッツ。後半は映画俳優や舞台俳優として存在感のある脇役で出ています。地味だけれどもいると落ち着くというか、安心感を与えるというか、そういう存在としていたと思います。シャイだけれども面白いことをしようとする谷啓と、大人の風格のある植木等に囲まれて現在ではクレージーキャッツの最後の生き残りとしてみんなで過ごした昭和の時代を回想してくれます。私も見てきた時代だけに、自分の青春と重ねあわせて読んでみました。

2015/09/22(火)
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