5月19日に月報委員会が開かれました。価格の評定はさーっと流して本題は新東京木材商業協同組合に属する問屋である新里木材と渡辺木材からそれぞれ「若手」である新里さんと石垣さんをお招きして市売り問屋として現状をどう見るのか、あるいはこれからどうしていくのか、そういったお話を伺うことが出来ました。
新東京木材には木材を初めとする住宅資材販売に関して大きく分けて二つの部門があります。市売り問屋による売上と組合の直営部門による売上です。前者がほとんど木材に対して後者にはプレカット、建材なども入ります。ここ数年後者の直営部門の売上が伸び、市売り問屋の売上が凹んでいます。そのような情勢の中でお話を聞いたのですが、先ずは現状から。
渡辺木材は新東京の組合員約400社のうち、120社と取引があり、取り扱い品目は杉、桧、栂、WW、集成材など全般にわたり、仕入先は約30社。そのほとんどが契約であると説明されました。
新里木材は同じく400社のうち、200社と取引があり、取り扱い品目は杉、桧、栂、WW、レッドウッド、ドライビームなど。仕入先は約50社。ほとんどが契約販売であり、中国木材の「ドライビーム」や佐川産業の「アトピーキラー」など有名な商品も在庫をしています。
両問屋とも安定した品物を常時集荷しており、都内の市場の問屋としてはレベルが高いと思っています。
それでも、買うべき立場の人間が少なくなり、また少量しかいらないという状況の中では売上が落ちていくのは仕方がないかもしれません。売り先が組合員に限られていることもありますし、直営部門との競合もあります。
そこで彼らも基本に立ち返り、「木材を売る」というところに力を入れる旨の発言をしてくれました。取り扱い商品の紹介、引き取りやすいように立てておく。ロットを小さくする。小口配送などなど。
また記念市では新東京木材はまだ動員力があり、60名から100名近い参加者があるので、市日を情報交換の場所として活用していくことも話されました。当日は次期理事長に推挙される予定の河野副理事長から、直営部門と共に木材を売るというところに力を入れ、市売りの活性化をめざす旨の発言がされたことも心強く思います。
新東京木材は私どもの仕入先ですから、ここが細くなると、私たち自身も細くなります。私達材木屋が木材だけでなく、新建材や住宅機器を含むあらゆるものを取り扱い品目に加え、「住宅」や「生活」に飛び込んでいったのに対して、木材問屋は木材にこだわり、そこにじっと我慢して留まりながら、木材を売っていかねばなりません。今年も「い木い木ふれあい祭り」を開催する予定でしょうから、消費者との繋がりを大切にして、木材が人間にとってどれだけ大切なものか、空気のような存在がどれだけありがたいものであるのかを訴えつづけることになると思います。
今回お招きしたお二人には「木材のプロ」を目指していただきたいと私は思います。ともあれ、問屋は材木屋の縮図だと感じた一日でした。
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