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有限会社 大喜
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Update 2006年2月9日
Ver.5.6.1
 
 
「スギの行くべき道」
 

「スギの行くべき道」 遠藤日雄著 林業改良普及双書 NO.141 社団法人 全国林業改良普及協会発行 定価923円

目 次

序 章 西多摩の森から

第一章 スカンジナビアからの風(新たな対日市場供給ソースの登場)

第二章 失われた10年(スギ材価格はなぜここまで下落したのか?)

第三章 取り戻す10年(スギ集成材の可能性)

第四章 突破口(スギ材シェア拡大の手がかりとは?)

終 章 杉の行くべき道

あとがき


 スギと聞いて東京木材ネットワークの「杉の木太郎の一生」を思い浮かべるようになったこの頃です。

 さて本書は170ページほどの新書です。目次に目を通すとわかってくると思いますが、いま、杉という木は痛い目にあっています。戦後に植えられた杉の木は、建築用木材として使うのに適した時期を迎えていますが、その一方で価格は低迷しております。そのため、川上と呼ばれる林業家には伐採すれば赤字という実態があります。ここから抜け出すのにはどんな手段があるのか、この本はそれを教えてくれます。

 スギ材はここ10年、ベイツガの代わりに用いられることが多くなったのですが、その後ホワイトウッドという北欧材と競争する羽目になりました。北欧材は伐採コストが安いし、KD化されています。またラミナにして集成の柱にしたものはここ十年で多くのハウスメーカーの標準仕様になりました。昨年施行された「住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)」が後押しをしています。私としては、ホワイトウッドを構造材に用いるのは避けたいですが、この北欧材のあり方から学ぼうという点で私はこの著者の方と同じ意見です。それは、「KD化」と「集成材化」の二つの道を追及することにより、「スギ材のシェアを拡大する」ということです。これをしないとシェアは拡大できないでしょう。内装材にスギを用いるにしても量的に限界があります。構造材に使えるものを提供しないと「現在結果として残っている杉材」を有効活用できないと思います。

 既に、三陸木材高次加工協同組合、けせんプレカットなど生産者の側からのアプローチだけでなく、「近くの山の木で家をつくる」運動など消費者の側からスギ材をはじめとする国産材を使う運動が一般的に知られるようになってきました。「突破口」となるべきものは出来つつあると思います。これらに見合う商品が提供される状況を作り出すことでスギの販路は広がると思います。この本にはこれらのことが詳しく書かれています。



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