「木の家に住むことを勉強する本」 発行:泰文館 発売:農分協 定価1980円
大きい見出し
- 森を知っていますか
- いま、木の家をどうつくるのか
- 家づくり・森づくり体験記
- 森が出来るまで
- 育材、伐採、道づくり、何でもこなす山育ち
- 木の図鑑
- 木と相性のいい自然塗料
- 木材を科学する
- 木材の乾燥
- 知っておきたい木造住宅の仕組み
- 実例・長持ちする木の家をつくる
- 国産材から生まれた集成材
- 棟梁という生き方
- 豊饒の海を育む「牡蠣の森」
- 山に埋もれる樹々を求めて住まいの用材を林産地に訪ねる
- 秋田杉の産地で学ぶ伝統の知恵
- 生き続ける町、住み継ぐ家
- 近くの山の木で家をつくる運動
- 木の家に賢く住むための覚書
- 木造住宅用語辞典
大きな見出しを見ていただいてもわかるように「森・木材・住まい・建築家・大工・自然環境」と網羅的である。
それでも本を広げてみて、飽きないのはほとんど前ページにわたり、写真やイラストが配置され、見やすく読みやすく仕上がっているためであろう。
木の家に住むことが人間を自然環境の中に身をおくことであり、木の家をつくることが自然を守ることになるという。このような日本人が自然に身に付けていた自然観や住宅観について順を追って話さなければ通用しなくなった。時代の変化は激しい。
私もここ15年ばかり鉄筋や鉄骨の家に住んでおり、木造住宅の良さを忘れていたように思う。幸い事務所に使っているところは築40年の木造住宅で、柱も見えれば、土壁も見える。目も疲れないし、落ち着いた空間となっている。銘木にこだわらなければ、木の住まいは決して高いものではない。節は本物の証拠。木材業者は無節にこだわりすぎたのだと思う。私もそうだが・・・。
節のある材料を上手に活かすことで、材料と技術とが一体になるのだと最近感じている。
この本の中には、最近、つくばの肥田さんが建てられた「板倉工法」なども紹介されており、見ごたえがある。とにかく手元に置きたい本である。
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