私と竹内木材工業(株)の付き合いはそんなに古くない。十年前に中野区の材木店の比較的若い人が集まって十四日会を作ったときが始まりである。その時出席した、亀山正義さんは現在、竹内木材工業の常務であり、中野店の店長でもある。それ以来、亀山さんと公私共の付き合いが開始された。
さて、竹内木材工業は自社でプレカット(注1)工場を持っている。その関係で工場見学をさせていただいたり、仕事を頼んだりしている。かなり難しいと思われる仕事でも梁のかけ方を丹念に分解して効率よくまとめ、精度の高い仕上がりで納品をしていただいている。もちろんそのためには入念な打ち合わせを欠かせないが。
プレカットを始めると材木屋の仕事に変化がおきる。先ず、構造材の配達がなくなる。次に仕事に計画性が出てくる。さらに仕事を材料と人間のセットで捉えることが出来るのである。以前は基礎工事が間に合わないから「上棟」を延ばすということがあった。それにつれて材料の配達も日延べされたりした。それが配送を直送にすることで仕事に計画性も出てきたし、配送費も別会計となった。また品質を向上させながら上棟までの工期も短縮できるなど、利点が多い。
では逆に欠点と思われるのは、材料の使い方を間違う可能性があることです。人間のほうで気をつけてあげないと上手くいきません。目視は大事です。例えば今までプレカット加工をしてどんな間違いをしたかというと、柱の位置が上と下で少しずれていたこと、建てた柱がねじれてしまったことなどがあります。柱は後で取り替えましたが、後者は乾燥材を使用すれば防げたかもしれません。
プレカットするということは機械化するということなので、初めの打ち合わせをきちんとする事が大事です。材料も乾燥材を使用すれば間違いを少なくすることが出来ます。品確法の施工以来プレカットを用いた仕事が増えているのは時代の要請でしょう。ただしだからといって手で刻むことが駄目だとは思いません。手作りには違った味わいがあるので、建てる方の希望が優先されてしかるべきだと思います。
話は元に戻りますが、亀山さんとは現在テニスを始めています。中野区の哲学堂公園で二度ほど行いました。また暖かくなったらご一緒しましょう。
注1:プレカットはCAD(図面自動描画システム)及びCAM(墨付け・刻み)というコンピュータシステムによって行われます。
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