現社長・窪寺伸浩はいい男である。
同氏と知り合ったのは、今から15年程前に遡る。新東京木材商業協同組合の総会の席で隣り合わせになったのがそもそもである。その後、彼は中野区にある比較的若い材木店の二世や三世をまとめて「十四日会」を作り上げた。その活躍は新東京モックの幹事や東京木材青年クラブの代表幹事などへと引き継がれている。
また、同氏は、ホーミースタディー・グループの一員として「幸福を生む住まい作り」を実践している。人間にとって「住まいとは環境」であり、木材を多用した住まいに住むことは、人間が自然と共に生き暮らすことであり、人間の本性にかなっていることを窪寺さんは訴えている。人間は自然の中に存在するものであり、自然を離れては生きていけないことを人々は知らなければならない。木材はともすれば傲慢になりがちな人々の心を癒し、人々の身体に良い影響をもたらすものである。
そんな考えの彼の処女作が「材木屋ケンちゃん行状記」である。日刊木材新聞や林材新聞に書き溜めたものを一冊にまとめた。内容は、「材木屋とは何だろう」という問いかけである。この言葉から何を連想するだろう。木の願いとは、住まいの願いとは。それとひたむきに向き合う「材木屋」とは・・・この答えを見つけた彼は材木業界のあるべき姿を明確にして勇気ある挑戦を続けている。
著作は3部構成で、第一部「材木屋ケンちゃん行状記」、第二部「クボデラ君の頓珍感」、第三部「台湾坊主の諸国住宅探訪記」、ミーナ出版から1800円で発売されている。どこを読んでも面白いが、「わが父窪寺正明の事」や「山崎常作氏を悼む」などは彼の真骨頂がうかがわれ、ぜひご一読を。
ところで、窪寺氏は台湾へ中国へと出張も多い。そんな多忙な彼を支えている真理夫人は彼の良き理解者であり良き妻であり、(株)横田木材横田社長の大学の後輩でもある。
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