店に入ると「商良材 喜万人」と書かれた彫刻を目にすることが出来ます。良材を商い万人(ばんじん)を喜ばす、と読むそうです。これが(有)石又材木店の訓辞であると社長は話されます。
読んで字の如し、良い材木を売って大勢の人に喜ばれなさいという意味です。そのせいか、お客さんも割と良い材料を使ってくれるといいます。勿論良い材料を仕入れるようにしている心がけが基本であり、お客さんと共に信用される商売をしています。
その堅実な商売を支えているのが社長の人柄になると思います。中野区の材木屋の中でも温厚な人柄と、スケールの大きなことで知られています。私どもが所属している新東京木材商業協同組合中野支部のトップを長い間勤めていただいていただきました。その際も平らな性格どおり、揉め事を起こさず、人を大事にし、その人の話を良く聞いてくれます。「人間関係は宝物と思って大切にしていきたい」という社長の言葉どおりででした。
長男で後継ぎの石橋一義さんは、今年から中野十四日会の副会長になり、中野の材木屋の若手を代表する一人になりました。材木屋の世界に入って10年以上になると思います。仕事に面白味が出てきたようで、仕事に積極的になってきました。かなり前から、端材を上手く加工して、店頭において一般の方に販売していましたが、最近では、材木やベニヤのカットにも対応しており、一般のお客さんに対しての販売を増やしています。
これからの材木屋としては地域の中でユーザーとの繋がりは大事だと思います。(有)石又材木店は工務店さん向けに木材や建材を売る材木屋ですが、その一方で、端材を大事にし、それを「売れるもの」に変化させながら、ユーザーとの接点に用いています。「ウッドコーナー」には、見習うところが沢山あると私も思っています。
|