「赤木圭一郎を偲ぶ会」から会誌である「激流」が送られてきた。第8号である。A4サイズで100ページほどある。ファンの方々からの原稿を集めて一冊の本にしている。私は今年の2月に会員になったばかりなのでこのようなものは初めて受け取った。従って以前のものは知らないのだが、今回のものには興味深い企画がいくつかある。
一つには、ファンが選ぶ赤木映画の代表作はどれかというものであり、次に代表曲は何かというものもある。また、赤木が後一年生きていたら、どんな企画の映画をとったのか、というものもあました。どれもファンの方々の思いが詰まったものですが、私なりにトニーの映画と歌についてベスト5を考えてみたいと思います。
そこで先ずこの会報に載っているものを紹介してみよましょう。
先ずは映画から。映画ベスト5は
- 紅の拳銃
- 霧笛が俺を呼んでいる
- 錆びた鎖
- 抜き打ちの竜
- 幌馬車は行く
歌のほうはといえば
- 霧笛が俺を呼んでいる
- 追(おもいで)憶
- 黒い霧の町
- 激流に生きる男
- 若さがいっぱい
でした。
「抜き打ちの竜」は初主演作(公開は1960年2月14日)。その主題歌が「黒い霧の町」です。トニーはこれ以後毎月1本の割で主演作をとっていきます。公開の一年後には、事故を起こして亡くなっています。
赤木の名前を不動のものにしたのが「霧笛が俺を呼んでいる」(公開は1960年7月9日)で、芦川いずみ(現・藤竜也夫人)さんや吉永小百合さんが共演です。同名の主題歌もヒットしました。
さらに「紅の拳銃」(1961年2月公開)は遺作。「追(おもいで)憶」はその主題歌。「激流に生きる男」(1967年11月公開)は赤木の死後にファンの要望で公開された作品で映画としては完成品ではありませんが、歌の方は、赤木の人生を思わせる内容です。
この4本が一般的に言って映画も歌も赤木の代表作だと思います。カラオケ屋に行ってもビデオやさんでもあるのではないかと思います。
これを除くと映画では「幌馬車がゆく」(1960年10月22日公開)と「錆びた鎖」(1960年11月12日公開)。歌では「錆びた鎖」の主題歌である「若さがいっぱい」が載っています。
「幌馬車は行く」では立山連峰を背景に花と共に移動する養蜂隊に助けられた青年を演じましたが、その実ギャングで・・・といった作品で西部劇タッチの軽い作品です。
「錆びた鎖」は横浜を舞台に荷役会社の社長に次男を赤木が長男を小高雄二が演じました。この映画はテレビで放映された時にビデオに収めてありますので、幾度か見ています。
「横浜港の荷役会社。社長は殺され、会社はパクリ屋の手に。跡を継いだ長男はパクリ屋の言いなりの経営を続け、沖仲士の不満は高まっていく。この問題で対立し、さらに自分が妾腹の子と知らされた次男は、日雇いの仲間に身を投じる・・・。」
あらすじはこんな感じで、今見ると映画としても良く出来ています。皆さんの評価が高いのも頷けます。主題歌である「若さがいっぱい」も明るい歌で好感が持てます。
といったところで、私のベスト5を発表したいと思います。
映画では
- 紅の拳銃
- 霧笛が俺を呼んでいる
- 錆びた鎖
- 海の情事に賭けろ
- 打(ノックダウン)倒
歌では
- 風は海から吹いてくる
- 海の情事に賭けろ
- ふたりの渚
- 海の掟
- 俺の血が騒ぐ
映画は今一度見たい映画を、歌は普段口から出てくるものを選んでみました。映画はラストに近くなるに従って完成度は高くなっていると思います。芸術的な映画ではありませんが、肩のこらない娯楽映画としてよく出来ていると思います。また私はそういうものが好きです。
以上、没後40年経っても赤木圭一郎は2002年の今を生きている人たちを夢の世界に引きずり込むのですから、その魅力は衰えを知らないと思っています。次の会報を期待します。その時には寄稿したいと思いますし、そのためにも映画を見直したいと思っています。
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